見出し画像

あまくさの魚の鮮度にこだわった社長に聞いてみた~天草のいま~

自己紹介:熊本県天草(あまくさ)出身の赤木 京子です。私は天草高校を卒業して、進学のために東京へいきました。そのまま東京で就職をして、海外へは13ヵ国、2年半ほど、ひとりで旅していました。現在は東京で介護福祉士の仕事をしています。

東京にいながらも愛する天草を応援するために、天草市がつくった天草市ふるさと住民の広報部の一員としてPRのお手伝いをさせていただいています。天草ふるさと住民noteの記事を通して、天草に興味をもっていただきき、天草へ足を運んでくださるキッカケになったら嬉しいです。

天草ふるさと住民広報メンバーの自己紹介ページです↓
それぞれの天草への思いを書いています。ぜひ、ご覧ください。


今回は私なりに、天草のいまを伝えるために、実際に天草のひとの声を聞いてきました!
天草市港町で製氷・冷蔵倉庫業、水産加工をされている株式会社アマレイの前田 重博 社長に天草の水産業についておはなしを伺いましたので、ご紹介いたします!

天草の漁業について

「昔は結構とれていた魚が、いまは少なくなった」と前田社長は話します。
昔はイワシが沢山とれていて、イワシをエサに天草の養殖関係は盛んになりましたが、いまはイワシのとれる量が減り、価格が高くなったそうです。

そういえば、私の幼い頃はご近所からイワシをいただいていた記憶があります。それだけ、大量に魚がとれていたのだと、今になって思いました。

つづいて「天草では一本釣りがさかんで、お盆やお正月になると、漁からもどった船が水揚げしていた。むかしは、この季節はこの魚がとれると分かっていたが、今はどこでどの魚がとれるか、わからなくなってきた。」と話されます。

原因は海水温の変化、また外国からの漁場の参入や、漁師のなり手不足など、さまざまな要因があげられるそうです。当時の天草では、魚がとれた時は、ばたばたしていたが、とれない時は休んでいたといいます。休んでも、とれる時はたくさん魚がとれたから、ゆとりがあったのでしょうか。

パイプを伝って船に氷をおろす作業をされています。
とれたての魚を氷の温度まで冷やすために、船に氷をいれています。
現場では、漁師さんと前田社長のコミュニケーションがあり、昔ながらの情景かなぁと思いました。

話を聞かせていただいたアマレイ社とは?

・昭和32年(1957年)設立

・無添加、無漂白で一般的な添加物をつかわない
それは、長年つちかった氷製造業、冷蔵庫をつかった冷力、真空パックをつかうから、添加物を入れなくても加工できると前田社長は熱く語ります。
当然のことながら、常温で腐らないことはあり得ないから添加物をつかいます。
苦労したのは、無添加で加工業することは、当時は前例がなく、売れるまでには時間がかかったそうです。
「無添加ですが、出来るだけ早く食べて欲しい」と思いをはなされました。

・加工鮮度保持
港で魚があがったら、すぐに工場へ運びます。加工は機械をつかう自動化された流れ作業ではなく、魚をさばき、加工するまで全て手作業です
職人の魚をさばく技術、加工技術、そして真空包装機、冷凍庫をつかった昔ながらの鮮度保持に力をいれる製法がうけつがれています。
しかしながら、「手がいるなぁ」と前田社長はつぶやかれていました。

・「ささ塩(しお)」
自社製法で作りあげたクマ笹(くまざさ)のエキスを配合した特許製品です。前田社長は「クマ笹を食べる熊などの動物は、ビタミンとか体にいいものを知っているから摂取するのだろう」と語られました。

ささ塩とは…
クマ笹は昔から薬として重宝されており、冬眠前の熊も餌を食べた後に、長い冬眠の間の腸内の異常発酵防止や毒素排出・血液浄化のために大量のクマ笹を食べると言われています。
クマ笹のエキスを配合したささ塩には各種ミネラル、ビタミン等が含まれており、防腐効果・酸化防止・脱臭効果・アク抜きなどの効果があります。
弊社で特許許諾権を結んで製造しております。
また、アマレイの干物にはこの「ささ塩」が使用されております。

(株)アマレイHPより抜粋
自宅のある東京へお取り寄せしました!
甘味、旨味、塩味がバランスよく、新鮮な状態で加工されたと感じます。
天草弁で「なんさま、うまか!」=「とにかく、おいしい!」です。
天草市瀬戸町にある「天草とれたて市場」でも購入できます。

変化しつづける、いまの時代

天草御所浦(ごしょうら)地域では、4月上旬にちりめんや煮干しが水揚げされたときに、魚を氷の温度まで冷やすためにアマレイ社の氷をつかっていました。しかし、近年はその魚がとれなくなったそうです。

また、東京まで魚をはこぶ車には水温を冷やすために氷を使っていましたが、コロナ禍で飲食店の魚の需要が減り、その影響で、氷の利用が減ったとはなされます。

さらに、2008年から産地直送のサービスをしているそうですが、商品の3分の1以上を送料(ガソリンの価格高騰による運賃への影響)が占めている状況を教えてくださいました。

変化しつづける世の中で、生産者さんの苦労は絶えないように感じます。

アマレイ社を訪問すると、すぐに、「現場にいきますか!」と前田社長のお声がけがありました。
前田社長について行くと、船へ氷をおろす作業をみせてくださいました!
アマレイ社の氷をのせて本渡港(ほんどこう)から漁にでる船です。
昔とかわらない景色でしょうか。なんだか、風情を感じます。

天草のひとのつながり

天草にはビジネスをとおして、ひとの繋がりがあります。
私の知るかぎりでは、私の書いた記事「あまくさの水産業を守っているひとに聞いてみた~みらいの天草」で取材したむらた社は、アマレイ社の"ささ塩"を加工のときに使われています。

また「あまくさには女性の働きやすい職場をめざす心あたたかいお母さんがいる」でご紹介した食の天草 にじさんは、アマレイ社の冷凍庫をお借りされています。

それから、この記事をみた御所浦未来島(株)の橋本代表が、御所浦物産館の"しおさい館"でアマレイ社の干物を販売するという、ビジネスマッチングが成立しました。

こちらの記事にも、ビジネスマッチングについて書いています↓
「魚はうまかし、景色もひともよか~よかとこ天草・御所浦にこらっさんですか!」

これからも、もっと天草のひとたちがつながって、盛り上がって欲しいと思います。

※上記の記事名をクリックすると、そのページにジャンプします。
生産者さん、販売者さんの思いをかいていますので、ぜひ、ご覧ください。

天草・御所浦の烏峠(からすとうげ)からの眺めです。
大小の島々がみられ不知火海のパノラマがとても美しいです。

今、私にできることが未来へつながっていく

今回のインタビューをとおして前田社長は『今後は、養殖など資本力の世界で強いところは残っていくだろう。そして、生産者にしかないこだわりの商品、また、他にはない天草のいい所をもつ商品をだすしかないのでは。』と語ってくださいました。

私は天草をはなれて、東京に20年以上います。数年ぶりに天草へ帰ってみると、食・交通・経済・人口など大きく変わったように思います。現地に行かなければ東京では分からない、いまの天草の現状を体感しました。また、昔のイメージとは違うところも、たくさんありました。

ただ、変わらないのは美しい海・山の自然豊かな景色、歴史、何よりも天草には、優しいひとがいることではないでしょうか。

天草で産みだされた食材をたべて、"地産地消&地産他消"で生産者さん、販売者さんを応援してみませんか。

また、天草のひと出会い、食を楽しみ、自然に癒されに天草へ足を運んでみては、いかがでしょうか。

天草で原付バイクを買って、前田社長に会いにいきました!
天草の風、波の音、景色は、天草にしかない自然の宝物と思います。

株式会社アマレイのホームページです↓
ぜひ、のぞいてみてください!


天草ふるさと住民についてのページです↓
天草市以外に住むひとが登録できます。
一緒にあまくさを応援してみませんか。