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天草市立《御所浦恐竜の島博物館》2024.3.20 OPEN!

自己紹介:熊本県天草(あまくさ)出身の赤木 京子です。私は天草高校を卒業して、進学・就職の為に東京へ行きました。海外へは13ヵ国、2年半ほどヨーロッパを中心にひとりで旅した経験があります。独学ですが、日常英語を話します。現在は、東京で介護福祉士として訪問介護の仕事をしています。

トップの写真は、全国の島々の方が東京に集まるイベント「アイランダー」の天草・御所浦ブースでの写真です。右から地域おこし協力隊の鍬崎智広さん、池田皐さん、私、美大生の鶴田桃子さんです。鶴田さんと私が持っているバックの魚をモチーフにしたデザインは、鶴田さんが手掛けています。

イベントでは、天草市御所浦支所の方も移住についてご説明されたり、皆さんで天草をPRしてくださっていました!


現在、私は仕事の傍ら愛する天草を応援する為に、天草市がつくった「天草市ふるさと住民」の広報部の一員としてPRのお手伝いをさせていただいています。

天草市ふるさと住民についてはこちらです↓
※登録は天草市以外に住民票のある方が対象です。

今回は、天草市立「御所浦白亜紀(ごしょうらはくあき)資料館」へ見学に行きました!天草・御所浦で発見された、恐竜の歯や骨、皮膚の痕跡、貝や魚の化石について、学芸員の廣瀬浩司さんより説明していただきましたので、ご紹介いたします。

また、少しでも御所浦を知っていただきたく、資料館とは別の場所にある化石や御所浦の美しい景色の写真も掲載しています。
どうぞ宜しくお願いいたします!

学芸員の廣瀬浩司さん
なんと!恐竜の足跡を発見した方です。

御所浦の情報ページのご案内

まずは、御所浦に関するページをご案内いたします。

天草市立「御所浦白亜紀資料館」についてはこちらです↓
2024年3月19日まで休館との事ですが、化石採集体験はできるようです。

※天草市立「御所浦白亜紀資料館」は、新しい博物館となる天草市立「御所浦恐竜の島博物館」として2024年3月20日に生まれ変わります。
ぜひ、最新の情報をゲットしてください!

御所浦の情報が満載の御所浦未来島株式会社のホームページです↓
見ているだけでも楽しくなると思います。
まずは、御所浦を知っていただけたらと思います!

他にも御所浦の観光、交通、イベント情報などがご覧いただける御所浦.netという素敵なページがあります。ぜひ、情報収集してご来島ください↓

以前に私が書いた御所浦に関する記事です↓
御所浦の方とのふれあいについても書いています。
ぜひ、ご覧ください!

九州初!恐竜の足跡

1997年(平成9年)に九州で初めて発見された、恐竜の足跡です。
肉食恐竜の足の指は一般的には4本で3本は地面に着くけれど、1本は着かないそうです。

今回、お話を伺った学芸員の廣瀬浩司さんが恐竜の足跡の第一発見者です!

足跡の大きさから、全長5mほどと推定されています。
どの部分が恐竜の足跡か分かりますか?
肉食恐竜の右足と推定されています。
以前は現地でそのまま保護していましたが、風化から守るため切り出してきたそうです。  
本当に恐竜はいたのですね!

日本最大級!恐竜の歯

御所浦では日本最大級の肉食恐竜の歯の化石が発見されています。
現物の写真です↓
全長10mを超えると推定されている、日本最大級の肉食恐竜の歯
全長7mと推定される大型の肉食恐竜、ティラノサウルス類とみられる歯
日本最大級の大型肉食恐竜の歯は約1億年前と推定され、
ティラノサウルス類とみられる歯は約8000万年前と記載されています。
他にも約7200万〜1億年前の恐竜の歯の化石が御所浦町や天草町から発見されています。

日本で2例しかない!爬虫類の皮膚の痕

約1億年前と推定される、爬虫類(はちゅうるい)の皮膚の痕跡
日本で2つしか見つかっていないそうです!
皮膚の痕跡が分かりますか?

--2つの化石が発見されたエピソード--
化石採掘体験で当時小学1年生だった男の子が皮膚の痕跡の上部を発見しました。男の子は貴重な化石と知らずに、家に持ち帰りました。
その後、資料館の職員が下の部分の化石を発見して、「まだ上があったはずでだったんだけど、ないねぇ。」と探していたそうです。
男の子が発見した2年後に家族が御所浦に来て「気になっていて、化石を見てみてもらえませんか?」と持って来られたそうです。
そして、爬虫類の皮膚の痕跡がある2つの化石が一致しました!

天草・御所浦で最初に発見!恐竜のすねの骨

推定約1億年前
1997年に天草・御所浦で最初に発見された植物食恐竜のすねの骨
存在感が感じられます!

日本最大級!恐竜の肋骨

全長約15mと推定される、日本最大級の竜脚類の肋骨(ろっこつ)
こんな感じで展示されていて、説明文もとても分かり易いです。
天草には色んな種類の恐竜がいたのですね。

中学生が発見した!恐竜の尻尾の骨

約1億年前
化石採集体験中に中学生が発見した、恐竜の尻尾(しっぽ)の骨
恐竜の腕の骨なども展示されています。
人間が誕生するずっと前の化石です!

九州2例目の恐竜の足跡!

鳥脚類の足跡。
九州では2例目となる恐竜の足跡の化石です。

約8500万年前!サメの化石

白亜紀時代である約8500万年前のサメの歯やうんちの化石も発見されています!

日本最古!大型哺乳類の化石

恐竜が絶滅した後の約4900万年前の大型哺乳類コリフォドンの下あごの化石
全長は約2mと推定されています。
恐竜が絶滅しても大型の生き物はいたのですね。
日本最古の大型哺乳類トロゴサスの下あご(左)
日本最古の奇蹄類(きているい)のイセクトロプスの歯とアゴの一部(真ん中辺り)

烏峠にあるアンモナイトと貝化石

ここでひと息!
白亜紀資料館とは別の場所にある化石をご紹介いたします。

御所浦の烏峠(からすとうげ)の展望台にはアンモナイトなどの化石があります。
原付バイクで見に行きました!展望台からの眺めは最高でした~
※ホントに急な坂のある峠なので、車やバイクの運転にはお気をつけください。
このアンモナイトは、白亜紀時代の後期を示す化石のようです。
アンモナイトや貝の化石があるということは、この辺りは海だったのでしょうか。
どれが化石か分かりますか?

約3700万年~1億年前!貝の化石

約1億年前の二枚貝、巻貝の化石
プテロトリゴニアなどの二枚貝は2枚の殻からなる貝のことで、アサリやシジミも二枚貝の仲間になるそうです。
約3700万年~4800万年前の貝の化石
白亜紀時代が終わった後の、新生代古第三紀時代の化石です。
約8500万年前の二枚貝のイノセラムス・アマクセンシスの化石
天草にちなんだ種名の化石だそうです。

約8500万年~1億年前!アンモナイトの化石

アンモナイトはタコやイカの仲間だそうです。
「標本」の欄には名前が記載されていて、寄贈してくださる方がいるのですね。
アンモナイトや貝の化石があるという事は、深い海の時代もあれば浅い海、干潟の時代もあり、繰り返して色んな時代があったと考えられます。
学芸員の廣瀬さんから伺いましたが、家の庭を掘っていたらアンモナイトの化石がでてきたそうです!さすが、宝の島「天草!」
約8500万年前の天草のアンモナイト
巻貝型のアンモナイトは、上から下に巻いていくタイプです。こちらはクリップのような巻き方をしています。
寄贈の欄に御所浦アイランドツーリズム推進協議会 事務局長の三宅啓雅さんの名前がありました!
とっても優しい寄贈者の三宅啓雅さん(右)私(左)
御所浦を訪れた際に観光案内してくださいました!
三宅さんは、離島振興に功労があったとして2023年に国土交通大臣表彰を受賞されています。
御所浦白亜紀資料館とは別の場所(御所浦の牧島地区)にアンモナイト館があります。
中央にガラスの床があり、覗くと地層に埋まったままのアンモナイトの化石があります。
約8500万年前のアンモナイトの化石
大きさを比較する為に横にCDが添えてあります。直径は60cmほどあるそうです。
三宅さんよりカメラをガラスに付けて写真撮影するといいよ、と教えて頂き撮れました!

アジア初!白亜紀の新属新種の魚化石

約8500万年前の魚の化石
絶滅した大型魚類イクチオデクテス目の新種の化石でアジアでは初めて発見されたそうです。
魚の骨は風化してなくなっていますが、型としてキレイに残っています。
逆に、型として残っているので細いところまで分かる化石のようです。

学芸員の廣瀬さんに、こちらの魚の化石についてお話しを伺いましたので、ご紹介いたします。

廣瀬さん:御所浦白亜紀資料館の中でどれが価値が高いですか?と言われるんですが、学術的には、これがトップクラスですね。なぜかと言うと、学名を見てください。

学名:アマクサイクチス・ゴショウラエンシス

アマクサ・・・って書いてあるんですけど、属名と種名なんですね。新種として種名(下の名前)をつけるのは、化石では比較的よくあることなんですけど、属名(上の名前)が新しく付くことはあまりありません。その属名が付いたんです。

赤木(私):この化石の為だけに付いた名前という意味ですか?

廣瀬さん:はいそうです。
下の名前だけじゃなくて上の名前まで新しく付いたんです。
"天草の御所浦で出た魚"と言う意味の学名です。

2012年に行われた工事中に発見されたそうです。廣瀬さんらが現場に駆けつけて行ったら、"これは貴重なもの"と直ぐ判断されたそうです。
化石を組み合わせて1匹みたいにディスプレイされています。
およそ1匹分の特徴がわかるそうです。

学芸員の廣瀬さんの想い

今後の目標や課題、やりたい事、天草について、廣瀬さんにお話しを伺いました。

まず大きな目標としては、2024年3月20日に天草市立「御所浦恐竜の島博物館」が完成する予定ですが、天草だけじゃなくて"日本に誇れる天草の博物館"にしていきたいです。その中には、当然、化石はあるんですが、"天草の自然がどう素晴らしいか"を伝えていきたいと思っています。まずはそれを進めていくべきと思っています。

・学芸員として
いろいろ貴重な化石を見つけて、明るい話題を日本、海外に発信して行くこと、博物館を盛り上げて行くことは、学芸員の仕事と思っています。そして、感動を伝える仕事でもあるので学芸員としてやりがいを感じています。

また、化石は御所浦だけでなく、天草町など天草の他の地域でもでているので、天草の化石の博物館として、"天草全体のことを考えていく必要がある"と思っています。そして、「日本に誇れる天草の博物館」として、今後もやっていきたいと思います。

・住民として
極端に言うと、御所浦は年間100人ずつ減っていると言われています。ただ、そこに博物館ができる事によって人が来ると思います。それをいかに周りの方に町が活性化する機会と捉えていただけるか、うまくこの機会を利用してもらえるようにするか、住民として、市の職員として、話題づくりを提供したり、地元の方と協力をしていく必要があると考えています。

烏峠からの眺め
この綺麗な景色は、天草・御所浦の自然の恵みと感じます。

ぜひ「恐竜の島博物館」へお越しください!

今回もひとりでは成し得ない、天草のことをお知らせする記事ができました。

トップの写真撮影では、地域おこし協力隊の鍬崎智広さん、池田皐さん、美大生の鶴田桃子さんのご協力がありました。また、御所浦アイランドツーリズム推進協議会 事務局長の三宅啓雅さんは観光案内をしてくださり、そして、御所浦白亜紀資料館の学芸員の廣瀬さんのお力添えがありました。
皆様のご協力に心より、感謝しています。

廣瀬さんは、人情味のある天草を気に入って移住されました。天草出身ではないのに、御所浦だけを見るのではなく、天草全体をみていらっしゃる気持ちが伝わり、取材の終わりには、涙がでそうでした。

最後に廣瀬さんが仰った「物理的な距離は縮まらないけど、情報的なもの、気持ち的なものの距離は縮まると思います。今後も繋がって行けたら思います。」との言葉が心に刺さりました。

天草には心あたたかい方が沢山いらっしゃいます。
ぜひ、天草のひと・自然とふれあいに、2024.3.20にオープンする天草市立「御所浦恐竜の島博物館」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

烏峠からはこのようなパノラマが見渡せます。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
ぜひ、天草の情報をゲットしてご来島いただけたらと思います。
天草市ふるさと住民No.490 赤木京子がお伝えしました!


天草市ふるさと住民の広報部員が素敵な記事を書いています↓
あなたもメンバーになって、天草について書いてみませんか?

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