生まれたら、そこは国立公園だった
今回初めて寄稿します小川大貴と申します。よろしくお願いします。出身は天草市本町で、高校入学のタイミングで熊本市内に進学、大学は福岡、そして東京で5年ほど働き、現在は大阪で働いております。
ぜひ、天草市在住の方も、天草市を出た方も、天草市が好きな方も、そうでない方もぜひ暖かく読んでいただければと思います。天草市の外からこそ分かる魅力を精一杯お届けできればと思います。
note自体は初めての経験だったりもしますので、文章レベルはご容赦ください。
はじめに
タイトルの意味合いですが、私が生まれ育った天草市は、雲仙天草国立公園の一部に位置しているという意味です。
先日、家族で長野県の軽井沢町に避暑をしに行ったのですが、ついでにということで浅間山のふもとにある鬼押出し園を訪れました。園の入口の看板を見ますと、上信越高原国立公園に位置していたのです。
「天草と一緒の国立公園じゃん!」と思ったものの、同時に「国立公園て何?」となり国立公園をテーマにnoteを書いてみようと思いました。
この記事では、天草市の魅力を国立公園という視点から再発見し、訪れる方々にその特別な魅力を少しでもお伝えできたらと思います。
国立公園とは
国立公園とは、自然景観や生態系を保護するため自然公園法に基づいて国が指定・管理する地域です。日本の国立公園は、自然の美しさももちろんのこと、その地域の歴史や文化が調和した独自の風景が形成されていることが特徴です。
また、国立公園は生物多様性の保全にも大きな役割を果たしており、天草市を含む雲仙天草国立公園も例外ではありません。この地域の豊かな自然は、多くの動植物の生息地として保護され、また観光資源としても重要な役割を担っています。
海外国立公園と日本の国立公園の違い
世界的に有名な国立公園といえば、アメリカのイエローストーン国立公園が挙げられます。イエローストーンは、広大な温泉地帯や間欠泉、野生動物が特徴の世界初の国立公園です。アメリカの国立公園は、自然そのものの壮大さを強調し、人間の手が加えられていない原生的な景観が魅力です。
一方、日本の国立公園は、自然と人々の生活が共存する地域が多く見られます。雲仙天草国立公園もまた、雲仙・天草の豊かな自然の中で、普通に人々が生活しています。
雲仙天草国立公園の認定背景
昭和6年に国立公園が制定されると、全国で誘致が活動が始まりました。有力な候補として、雲仙や阿蘇が挙がる中、天草でも観光事業による経済振興のため、昭和6年7月に「天草風景協会」が結成され、国立公園編入に向けて活動を開始しました。その後、昭和8年2月に「天草国立公園地域編入期成会」が誕生。この直後から国立公園調査特別委員が相次いで天草を訪問し、その風景のすばらしさを称賛しました。
昭和7年当時、雲仙と天草が一体となって国立公園となる案は、国の委員会でも提案されました。しかし、当時の方針として風景のまとまりが重要視されたことから委員の賛同が得られず、昭和9年、日本初の国立公園には雲仙地域のみが指定されました。戦後再び国立公園と観光への関心が高まる中、戦前に指定されなかった地域の見直しが行われ、昭和30年に天草が国定公園に指定。昭和31年7月20日、雲仙国立公園に天草国定公園が編入される形で、「雲仙天草国立公園」が誕生しました。
そして令和8年で「天草地域」指定から70年となりました。天草地域は、透明度の高い海域と美しい島々が点在する自然・風景が評価されています。
雲仙天草国立公園の魅力
天草市が属する雲仙天草国立公園は、その多様な自然環境と豊かな文化が魅力です。まず、天草の海は日本でも屈指の透明度を誇り、ダイビングやシュノーケリングの名所として知られています。また、﨑津集落や大江教会といったキリシタン文化が色濃く残る地域は、訪れる人々に強い印象を与えます。
さらに、天草市内には温泉も豊富で、特に「下田温泉」は歴史のある温泉地として知られています。温泉に浸かりながら、天草の豊かな自然を感じることで、心身ともにリフレッシュすることができるでしょう。
天草市の国立公園的観光ルート
ここでは、天草市の自然と文化を満喫できる具体的な観光ルートをご提案します。このルートは、天草市内の主要な観光スポットを巡りながら、雲仙天草国立公園の魅力をより体感できるルートです。
1. 天草キリシタン館
まずは「天草キリシタン館」を訪れ、天草のキリシタン文化について学びましょう。ここでは、島原・天草一揆を中心とした天草キリシタン史に触れることができ、天草市の文化的背景を理解する良い機会となります。
2.牛深海域公園(グラスボード)
次に牛深に移動(車で約50分)します。築の島、法ヶ島が昭和45年に日本初の海中公園(※現在は海域公園)に指定されています。トサカ類やイソバナ類など色とりどりのサンゴが群生し、まるで海中の花畑のようなすばらしい景観を繰り広げています。海中散歩は牛深港から発着しているグラスボートで海中公園遊覧を楽しむことができます。
3. 﨑津集落(世界文化遺産)
次に、﨑津集落へ移動します。この集落は、2018年に世界文化遺産に登録されており、カトリックと漁村が共存する独特の風景を楽しむことができます。﨑津教会を中心に、地域の信仰と生活が一体となった姿を感じ取ることができるでしょう。
4. 大江教会
続いて、大江教会を訪れます。この教会は1933年に建てられ、ロマネスク様式の美しい建築が特徴です。天草の豊かな自然と調和した教会の佇まいは、訪れる人々に深い感動を与えます。
5. 夕日鑑賞
大江教会から天草西海岸沿いに移動して夕日スポットで美しい夕日を楽しみます。海に沈む壮大な夕日を眺めながら、天草市の自然と文化を振り返り、特別なひとときを過ごしてください。
https://www.t-island.jp/wp-content/uploads/2020/03/amakusasunset.pdf
6. 下田温泉でリラックス&宿泊
一日の終わりには、天草市内の温泉「下田温泉」でリラックスしましょう。温泉に浸かりながら、旅の疲れを癒し、心身ともにリフレッシュすることができます。
7. 富岡城跡
翌日は苓北町の歴史的スポット「富岡城跡」もぜひ訪れてください。江戸時代に築かれたこの城跡からは、天草の美しい海岸線を一望することができます。特に桜の季節には、桜と海のコントラストが美しい景色を作り出し、絶好の写真スポットとなります。
8. 天草市イルカセンター
旅の締めは「天草市イルカセンター」でイルカウォッチングを楽しみましょう。天草の海域はイルカが生息しており、船上からイルカが遊泳する姿を間近で観察することができます。この体験は、天草の自然の豊かさを実感する絶好の機会です。
さいごに
天草市の魅力は様々ありますが、本記事が皆様にとって、国立公園的な魅力を知り、味わう一歩目になりますと幸いです。
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