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作ってみました!天草の郷土料理「がね」

鹿児島市在住、二児の母、ふるさと住民の山城優子です。
大好きなサツマイモの季節がやってきました!スーパーでも買いやすい価格になってきたので、食卓に上ることも増えました。とはいえ、いつもふかし芋、みそ汁、煮物…とパターンが決まっています。たまには違うサツマイモ料理を作りたいなあ…。そうだ!久しぶりにがねが食べたい!がねを作ってみよう!と思いつき、子どもたちと一緒に「初めてのがね作り」にチャレンジしました!


天草の郷土料理「がね」とは

「がね」とは天草の方言で「カニ」のこと。(鹿児島や宮崎でもそう呼ばれています。)
棒状に切ったサツマイモに衣をつけて揚げた郷土料理で、形がカニに似ていることから名づけられたそう。

天草地域で、仏事に魚が使えないので、その代わりにさつまいもを太めの拍子切りにして菜種油で揚げ、精進料理として「がね揚げ」を使ったのがはじまりといわれている。

農林水産省Webサイト(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ganeage_kumamoto.html)

法事や地域の祭りでよく食べられていて、給食にも出てきます。
甘くて、衣がしっかりついたがねは、私にとってはスイーツ! 一番好きな郷土料理です。
家庭によって味も見た目も異なりますが、小さい頃からよく食べていた思い出深い味を再現したく、レシピを教えてもらいました。

がね作り

これまで数百個は食べてきたがねですが、作るのは初めて!
せっかくなので子どもたちと一緒に作ることにしました!

<材料>
・サツマイモ  500g
・しょうが(みじん切り) 5g
・小麦粉 200g
・卵   1個
・砂糖  100g
・薄口しょうゆ  25㏄
・水(またはビール、牛乳) 適量(大さじ2~)     
<作り方>
①    サツマイモは皮をむき、1cm角の棒状に切り、水にさらす。
②    卵、薄口しょうゆと水気を切った①を混ぜ合わせる。
③    砂糖、しょうが、小麦粉、水を加え、さらに混ぜる。
④    ③を木ベラに数本のせて、170度の油で両面揚げる。

サツマイモを切るのは子どもには少し硬くて難しかったですが、皮をむいたり、衣をつけたりする作業は楽しんでいました。
途中、子どもが小麦粉をばらまくというアクシデントがありましたが、1時間半かけてなんとか出来上がりました。

写真は4個ですが、全部で10個できました!

しかし!見た目が…。天草の方が見たら「え?これ、がね?」「がねじゃない!」と言われてしまうかもしれません…。
そう!失敗してしまいました…。なんと、水を入れ忘れるという痛恨のミス。混ぜている時に「なんか衣がうまくつかないなあ」と思ったものの、「えい!揚げちゃえ!」とそのまま揚げてしまった結果、衣がはがれた不格好ながねになってしまいました…。
本来なら、作り方③で、状態を見ながら水(またはビール、牛乳)を少しずつ入れて衣を絡ませるべきでした。(ビールを入れると、よりカリっと揚がるそうです。)
でも、これだけは言わせてください!
見た目は残念でしたが、味は再現できていました!
甘めですが、しょうががきいていて、とてもおいしい!!子どもの頃によく食べていた味です。当時の懐かしい記憶までもが蘇ってきました。
しょうがは辛すぎず、子どもでも食べられるちょうどいい具合。
カニに見えるように揚げると、手の平くらいのサイズになり、食べ応え十分です。子どもたちも1個でお腹いっぱいになっていました。

鹿児島バージョン

がねは鹿児島県の郷土料理でもあります。
鹿児島のがねは、サツマイモの他に人参やニラ、ごぼうなどが入っています。
今回は、人参とごぼうを入れて鹿児島バージョンのがねも作ってみました。

こちらも衣がはがれたかき揚げのようになってしまいましたが、人参が入ることによって色合いが良く、ごぼうの食感や風味でおいしさがUPします。鹿児島バージョンはしょうが抜き、甘さ控えめで作りました。砂糖の量や衣のつき具合、入れる野菜はいろいろアレンジしてみると面白いですね。

初めてのがね作りは時間がかかったうえ、失敗してしまいましたが、子どもたちに天草の郷土料理を教えるいい機会となりました。地元のお母様方は料理がお上手で目分量で手際よく作られるので、レシピはあってないようなもの。隣で見聞きしながら作るのが一番だと感じました。
これを機にもっと郷土料理のことを学んで、子どもたちに継承していきたいと思います。
今度帰省した際は、本物のがねを食べさせてあげたいです。

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