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東京天草郷友会会長にインタビュー!「若手を取り込んで会の活性化を図りたい」

鹿児島市在住、二児の母、ふるさと住民の山城優子です。
私は、昨年春まで5年間、東京に住んでいました。天草に住む両親や妹家族とすぐに会えるわけでもなく、頼れる人もおらず、寂しい思いをした時期がありました。そんな時、心の支えとなり、励まされたのが、同じ天草出身の方々との交流でした。コロナ禍で天草になかなか帰れなかった時も、同郷の方々と集まって懐かしい話をしたり、天草PRのお手伝いをしたり。九州を出て、地理的に離れたことで、かえって故郷への愛情が深まったように思います。交流会では、東京天草郷友会の方と出会う機会もあり、そこで初めて郷友会の存在を知りました。その後も連絡を取らせていただいています。
「故郷を思う気持ちは郷友会の方々も熱いはず!」「ぜひ、お話を伺ってみたい!」と思い、今回は東京天草郷友会の会長さんにインタビューしました!


東京天草郷友会について

まず、東京天草郷友会についてご紹介します。
東京天草郷友会は、「天草出身者の親睦と互助」を目的に発足された会で、100年以上の歴史があります。天草から上京してきた人の支援、郷土と東京の橋渡し、情報交換などを主に活動がスタートしたようです。現在は、関東に住んでいる天草出身者や天草にゆかりのある方が集い、交流を深めふるさと天草の発展につなげようと活動しています。
毎年4月に総会が開かれ、今年は150人ほどが参加しました。年間行事としては、チャリティーコンペやバス旅行、天草の各地域会などが予定されています。
会の運営は事務局と7つの部門(財務部、事業部、広報部、組織部、女性部、青年部、文芸部)で司っていて、40代の若手役員も活躍中とのことです。

インタビュー

それでは、ここからはインタビュー!
東京天草郷友会会長の上田幸穂(うえだ・ゆきほ)さんにお話を伺いました。

天草町高浜のご出身。15歳の時に天草を離れご進学。大学ご卒業後は、国税局で税務のスペシャリストとしてご活躍され、退官後は税理士として数々の企業をサポート。2022年、会長にご就任。

―会長就任のきっかけ―

山城:まず、会長になられたきっかけを教えてください。
上田さん:郷友会の方はあまり長くないんですが、もともと高浜(地域会)  
に三十数年います。高浜の方は親戚や先輩がいらっしゃるもので 
すから。行っているうちに「役員になってくれ」と言われましてね。高浜からも郷友会に協力しようということで就任しました。

ー新しい取り組みについてー

山城:上田さんが会長に就任されてから取り組まれたことはありますか?
上田さん:チャリティーコンペと文芸部の創設です。これまで出身地域対抗のゴルフ大会を開催してきましたが、一昨年からはチャリティーコンペを実施しています。これは、故郷における緊急災害時の災害救援基金の積み立てを目的としています。(ちなみに、昨年開催されたチャリティーコンペは、8組28名が参加し、約31万円の寄付金が集まりました。)
「苓州会(俳句同好会)」は、郷友会に参入される前からすごく活発にやっていらっしゃいましたので、一層の活性化を図って郷友会の中に新設しました。
今年は、できれば地域対抗のカラオケ大会を開きたいですね。300人くらい収容のホールがどこかあれば。天草二郎さん、玉田元康さんに審査員をしてもらうとすごい盛り上がるんですよ。前回は有明会が優勝しました。任期中に復活させたいです。

ー就任から2年経ってー

山城:会長になられてから2年が経ちました。今年5月からは2期目に入られましたが、この2年で何か変化は感じていらっしゃいますか?
上田さん:私の代になって活性化したとかいうのは、正直に申し上げて自信はないんです。もともと会長とかいう柄じゃないものですから。私にできることは、チームワークを保つことですかね。強烈なリーダーシップがあるわけじゃないんですが、役員の皆さんがよく頑張ってくださっているものですから、皆さんが動きやすいようにすることをモットーとして会長職を仰せつかっているわけです。東京天草郷友会の一番のいいところは、「皆さんのチームワークがいい」ところじゃないでしょうかね。

ー天草についてー

山城:天草にはどのくらいの頻度で行かれますか?
上田さん:公務員時代は親子4人で年に2回、お盆と正月は必ず帰っていたんです。両親が亡くなってからは、年に1度くらいは帰っていました。ただ、コロナの間は3年間帰ることはできなかったんですけどね。コロナが明けてからは、車でフェリーなどを使って行っています。この前も5月の連休明けに姪っ子のお祝い事や家内の同窓会があったものですから車で行きました。

山城:上田さんにとっての天草の魅力はどんなところですか?
上田さん:魅力というんでしょうかね。やっぱり、地元ですから、もともと生まれたところですからね。自然的にも人情的にも、こんなにいい所はないと思っております。また、高浜は白鶴浜とか妙見浦とか、そういう風光明媚な点でも人気の名所でもありますし、自然的には最高の所だと思います。友達がまだ高浜に何人かおりますので、会うのも楽しみですし。

天草町高浜にある白鶴浜

山城:天草の発展について、何かお考えはございますか?
上田さん:案というわけでもないんですが、やはり痛感するのは、一極集中が進んでいるということですね。高浜は私が子どもの頃は人口5千人いたんですが、今は千人を割り込んでいるんです。5分の1以下になっているんですよ。昼間道を歩いても誰も見かけません。たまに見かけてもお年寄りばかりで。しかも小学校の子どもは、我々の頃は1学年135人いたのが、今はもう2、3人しかいないんだそうです。そういう意味では、復興といっても現実味はあまりにもなくて。もう限界集落からいわゆる消滅集落になりつつある状況なので、いかにして住ませるかという消極的なことしか思い浮かびませんけれどもね。自然は昔に比べて決して損なわれてはいませんが、精霊流しなどの行事もすっかり廃れてしまいました。船を担ぐ人もいないんですよ。だからそういう意味では、寂しい。この10年間で特に寂しさがひどくなりましたね。本渡のように、病院とか買い物とか行きやすいように、もっと地方に対する交通の便を増やすとか、高浜のような過疎地に行っても、不自由がない施策を考えてもらえればいいと思います。

ー郷友会についてー
山城:郷友会も会員数の減少や高齢化の問題などありそうですが、若い方に入ってもらうために取り組まれていることはありますか?
上田さん:高浜会のような地域会がいくつかありますので、地域会で頑張っていらっしゃる若手の方を見かけると、「郷友会の方もよろしくお願いします」というかたちで引っ張っていけるよう各役員が心がけています。地域会と郷友会の連携っていうのが不可欠だと思っていますので。高齢化で存続の危機にある会や、もう解散した会もあります。郷友会としても、残っている10くらいの地域会に協力して、人員を派遣していただくとかいう形で、お互いに協力し合うというのが一番有効なんじゃないかなと思っています。

山城:会員の男女比はどのくらいですか?
上田さん:半々くらい。
山城:へ~!女性の方もけっこういらっしゃるんですね!
上田さん:女性の力が大きいですね。いろんな意味で縁の下の力持ちになっていただいています。今年から、バス旅行は日帰りじゃなくて泊り込みで復活しましてね、80代、90代の方がまだ元気でいらっしゃいます。本当は60代から70代の方々が一番の働き盛りではあるんですけども、郷友会は昔から高齢の方で、はつらつとした方が多くてですね。教養がおありで、とにかく積極的にいろんな人たちと交流するというのが健康寿命を延ばす秘訣だと言っていますので。まさに、女性の役員さんたちは、模範的な姿をされている。
我々もそれをお手本にしているという実態です。

山城:最後に、今後の目標をお聞かせください。
上田さん:各地域会から若手の役員さんをスカウトして、とにかく若返りを図りたい。私の後任も含めて、若手の発掘が一番でしょうね。
うちの郷友会のお年寄りの皆様はすばらしいですよ。80歳、90歳、みんなお元気です。頭もきれますし、脚力もありますし、「これをなくしちゃいかんな」と思っております。
山城:ありがとうございました。

インタビューを終えて

上田さんの物腰の柔らかさと丁寧なお答えから郷土愛を感じました。役員間のチームワークのよさは信頼関係の賜物ではないでしょうか。
お話の中でもありましたように、年々高齢化が進み、天草市は消滅可能性自治体に指定されています。しかし、私が毎回帰省して思うことは、ご高齢の方々がとてもお元気だということです。80代、90代でもカートをおして買い物に行かれたり、畑仕事をされたりする姿を見ていると、とても町が衰退していくようには思えません。上田さんがおっしゃるように、どこに住んでいても快適な生活ができるような環境が整っていけばいいなあと思います。
今後は、日本一お年寄りが元気な地域として天草の魅力を発信していきたいです。

最後に、東京天草郷友会のホームページもぜひ、ご覧ください!オリジナリティに富み、天草の情報がたくさん詰まっています。中でも一番のおすすめが会報です!会員に向けて発行されているものですが、天草にゆかりのある方なら誰もが楽しめる内容になっています!東京天草郷友会ならではのディープな話題や、会の活動などを知り、心が動きました!
今はインターネットを通じて手軽に情報を得ることができます。様々な方面から天草の今を知ることも何かアクションを起こすきっかけになるのではないかと思います。一緒に天草を盛り上げていきましょう!

東京天草郷友会 (amakusa-gouyuukai.com)

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