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作ってみました!自己流こっぱもち

東京在住、天草市ふるさと住民の山城優子です。
天草にお住いの皆さんは年末年始に「こっぱもち」召し上がりましたか?
私は帰省すると一人でほぼ一本(パンに例えると一斤?)食べてしまう
くらい大好物で、帰省できない時は実家から送ってもらいます。
そんな「こっぱもち」を今回は文明の利器に頼りながら作ってみました!


こっぱもちとは?

まず、「こっぱもちって何?」という方もいらっしゃると思います。
こっぱもちは、干したさつま芋ともち米をそれぞれ蒸して混ぜ合わせ、
砂糖を加えてついたお餅のことです。

こっぱもちの由来や歴史については農林水産省のHPに詳しく載っています。

「こっぱもち」は、天草地域特産のさつまいもを使った伝統的なおやつ。
こっぱとは木っ端微塵の「こっぱ」と同じ、小さく切るといった意味の
方言からきており、皮をむいたさつまいもを1、2cm位の輪切りにして
ゆでて、天日干ししたものを指す。輪切りの真ん中にわらを通し、軒先に
吊るす光景は天草に冬の訪れを告げるものだ。天草地域では平地があまり
ないため米の収穫量が少なく、昔からやせた土地でもとれるさつまいもを
多く栽培していた。こっぱは保存食として重宝しただけでなく、煮て干し、日に当ててカラカラに乾燥させることで生で食べるより甘みが増す効果も
あった。「こっぱもち」はそのこっぱともち米を蒸したものと、
砂糖(または水飴など)を合わせてつくる。ふんわりもっちりとした
食感で、さつまいもの甘みを感じられる素朴な味わいだ。
昔は各家庭でつくられており、常温で日持ちするので特に年末にお正月用のおやつとしてつくられていた。
農林水産省Webサイト
(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/koppa_mochi_kumamoto.html)

使う芋や砂糖の種類、割合によって味が変わります。
年末になると自宅でついたり、ご近所さんからいただいたり。
「〇〇さん家のは甘いね」「〇〇さん家のは色がきれいだね」という風に、地元にいると、いろんなこっぱもちを楽しむことができます。

こっぱができるまで

昨年の秋、芋掘りに行き、大量の紅はるかをゲットしました。
おいしいうちに消費するのが難しそうだったので、干し芋にすることを
思いつき、「せっかくならこっぱもちを作ろう!」と決心。
祖母に電話で作り方を教わりました。

~こっぱもちの作り方~

①    さつま芋の皮をむき、縦に1cmほどの輪切りにする。
芋の真ん中に穴を開ける。(穴を開けるための専用の道具がある)
②    ①を藁に10~15個隙間を開けながら通す。
③    ②を軽く茹でて一斗じょうけ(竹ざる)にあげて冷ます。
④    ③を軒下など雨に濡れず風通しのいい所に15日~20日ほどカラカラに
なるまで干す。
ここで、こっぱはできあがり!
⑤    藁から外したこっぱを蒸して潰す。別で蒸したもち米と合わせ、砂糖を加えてつく。(昔は杵と臼、最近は餅つき機を使う家庭が多い。)
こっぱ:もち米:砂糖=3:2:2 ※砂糖は好み
⑥    ついた餅をもろぶたに入れて固めたらできあがり!
適当な厚さに切ってそのまま食べたり、表面を軽く焼いて食べたりします。

うちにはない調理器具や道具がたくさん出てきたので、家にあるもので
代用して作ってみることにしました。

まずは「こっぱ」作りからスタート。

小、中サイズの芋5本、約600gを使いました。

穴開けも一斗じょうけも藁もないので、
今回使ったのは100円ショップの野菜干しネット!
皮をむいて輪切りにしたさつま芋を軽く茹でた後、ネットに並べて
バルコニーの物干し竿に干します。

一日目。

長期間干すので、週刊天気予報を見て晴天が続きそうなタイミングを
選びます。

二日目。表面が乾いて白っぽくなってきました。
三日目。両側が少し内側に丸まってきました。
四日目。少し黒っぽくなってきました。

毎日ひっくり返し、たまにネットを動かして日が当たる位置を変えながら
10日ほど干しました。

七日目。うねったような感じ。
10日間干してこっぱ完成!!

カチカチになった干し芋。試しにかじってみましたが、歯が折れそうな
くらい硬かったです。

こっぱもちができるまで

ここからは、できあがったこっぱを使って「こっぱもち」作り
まず、こっぱを蒸します。蒸し器がないので鍋を代用。ここでも100円
ショップのグッズを使いました。脚付きのステンレスプレート。
水をはった鍋の中に入れるだけで蒸し器に変身。プレートの上に干し芋を
のせて30分蒸しました。

まだ硬かったので、電子レンジで5分加熱。それでも少し硬い部分が残っていましたが(すりこぎ棒がなかったので)めん棒でなんとか潰しました。

潰した後の芋の重さは約350g。

今回は、こっぱの量が少なかったのでもち米の割合を増やし、なおかつ
甘さをおさえたかったので、こっぱ:もち米:砂糖=2:2:1で作って
みることに。(ちなみに、地元では古くから黒砂糖が作られているので、
今回も黒砂糖を使いました。)
餅つき機の代わりに使ったのは、ホームベーカリーです。
餅つき機能が付いていて、1時間ほどで簡単に餅を作ることができます。

ホームベーカリーでついた餅を取り出しラップで包み、形を整えて
冷まします。

牛乳パックで型を作りました。

固まったら適当な幅に切ります。

初めての試みにしては、外見はイメージ通りに作ることができました。
でも、切ってみると・・・。

穴だらけになってしまいました…。

中はぽこぽこ穴が開いていたり、芋のつぶつぶが入っていたりしました。

食べた感想

そして、味はというと・・・「う~ん、いまいち」
芋の味が薄く、素朴な味。いつも食べなれているこっぱもちと比べると、
芋のパンチがなく、粘りが少ないように感じました。
ただ、表面を焼くと香ばしさがプラスされておいしくなりました。
甘さ控えめで、よく言えば上品な味わい。

大事にゆっくり噛みながら食べていると芋のうまみが感じられました。
こっぱに凝縮されていた甘味が餅とうまく合わさってくれたからかも
しれません。

代用品だらけの初めての挑戦でしたが、楽しみながら作ることが
できました。
今回一番苦労したのはこっぱを蒸す作業です。なかなか柔らかくならず、
潰すのが大変でした。
次回はしっかり蒸して潰して断面の美しさにこだわり、芋の存在感を
出せるように材料の割合を工夫したいと思います。
自己流のこっぱもちではありますが、天草の郷土料理を子どもたちにも
伝えていきたいです。

こっぱもちが気になる方、食べたくなった方は、
天草内の店舗、銀座熊本館、ネットで購入することもできますよ。

宝餅本舗 さん

銀座熊本館 さん

ぜひ一度食べてみてください!


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